機械誘導機誘導電動機の速度制御・始動★★☆☆☆
誘導電動機のV/f比一定制御と電流特性
概要
誘導電動機のV/f比一定制御(インバータ制御の基本方式)における電流特性を扱う。電圧と周波数を同率で変化させると,簡略等価回路の近似のもとで,一定トルク負荷では電流がほぼ変化しないことを導く。
📖用語
インバータ:直流を任意の周波数・電圧の交流に変換する電力変換装置。誘導電動機の可変速制御に用いる。
V/f制御:電圧 V と周波数 f の比を一定に保ちながら周波数を変化させて速度を制御する方式。磁束を一定に保てる。
漏れリアクタンス:一次・二次巻線間で磁束結合に寄与しない漏れ磁束によって生じるリアクタンス。等価回路で x1・x2 で表す。
同期角速度 ωs:同期速度に対応する角速度。ωs = 2πns60 [rad/s]。電源周波数と極数で決まる。
V/f比一定制御とは
インバータで誘導電動機の速度を変える際,電圧 V と周波数 f の比(V/f)を
一定に保ちながら変化させる制御方式。
磁束 Φ ∝ V/f を一定に保つことで,広い速度範囲にわたって一定のトルクを維持できる。
インバータ駆動の最も基本的な制御方式。
前提:簡略等価回路(r2s が支配的な場合)
一次抵抗 r1,漏れリアクタンス x1,x2 を無視し,r2s のみを考慮。
ここで V は一相分の相電圧[V](三相等価回路の一相分を扱うため線間電圧ではない)。
I2 ≈ V × sr2
トルク:T = 3V2sr2 × ωs = k × V2sωs
ωs:同期角速度(∝ 周波数 f)
V と f を同率で変化させた場合(V/f = 一定)
ここで,変化後の量にはプライム記号(')を付けて区別する(V' は「変化後の電圧」,s' は「変化後のすべり」)。
ωs も V に比例して変化するので,一定トルク条件 T = const では:
V2 × sωs = (V')2 × s'ωs'
V' = αV,ωs' = αωs(αは変化率)とすると:
→ s' = sα
電流:I' = V' × s'r2 = αV × sαr2 = Vsr2 = I
→ 電流は変化しない(電源電圧と周波数を同率で変化させると,一定トルク条件下で電流はほぼ一定)

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