法規施設管理高調波・直列リアクトル・力率改善★★☆☆☆

直列リアクトル付進相コンデンサ設備の端子電圧と容量

概要
直列リアクトル(SR)付進相コンデンサ(SC)設備は,高調波抑制と突入電流抑制を目的としてSRとSCを直列接続した設備である。SRのリアクタンスXLはSCのリアクタンスXCの6%(第5次高調波対策)に設定するのが一般的で,この結果SCの端子電圧は系統電圧の 11-0.06 倍に上昇し,SCの銘板容量は純供給無効電力を0.94で割った値となる。
📖用語
SR(直列リアクトル)進相コンデンサに直列に接続するリアクトル(コイル)。高調波の拡大抑制とコンデンサへの突入電流抑制を目的とする。
SC(進相コンデンサ)電力系統の遅れ無効電力を補償し力率を改善するために設置するコンデンサ設備。
高調波系統の基本波(50/60Hz)の整数倍の周波数成分。インバータ・整流器等の非線形負荷から発生し,機器の誤動作や過熱を引き起こす。
突入電流コンデンサを電源に接続した瞬間に流れる過渡的な大電流。直列リアクトルを入れることで抑制できる。
SR・SC設備の特性
進相コンデンサ設備に直列リアクトル(SR)を接続する目的は,電力系統の高調波を抑制することと,コンデンサの突入電流を抑制すること。一般に直列リアクトルのリアクタンス XL はコンデンサのリアクタンス XC の6%(第5次高調波対策)または13%(第3次高調波対策)に設定される。
📐基本公式:SC の端子電圧
系統電圧(相電圧 Vph)がSRとSCの直列回路に印加されるとき,ネット(正味)のリアクタンスは:
Xnet = XC - XL = XC(1 - k)
ここで k = XLXC(6%の場合 k = 0.06)
回路に流れる電流:I = VphXC - XL = VphXC(1 - k)
SC の端子電圧(相電圧):
VSC_ph = I × XC = Vph1 - k
SC の端子電圧(線間電圧):VSC = VSC_ph × 3 = VL1 - k
XL = 6% の場合:VSC = VL0.94 ≈ 1.064 VL(系統電圧より高くなる)
📐基本公式:コンデンサの容量
力率改善に必要な系統への純供給無効電力(Qnet):
Qnet = P(tanθ1 - tanθ2)
SR の直列接続により,SC の実際の容量 QSCQnet より大きくなる:
Qnet = QSC × (1 - XLXC) = QSC × (1 - k)
QSC = Qnet1 - k
使い方・ポイント
直列リアクトル付の場合,コンデンサの端子電圧は系統電圧より高い(11-k倍)。
コンデンサの銘板容量(QSC)は,純供給容量(Qnet)を(1-k)で割った値(Qnet より大きい)。
6%リアクトルの場合:VSC ≒ 系統電圧 × 1.064,QSC = Qnet0.94 となる。
図1
関連問題数:1

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