電力変電・送配電機器遮断器・避雷器・開閉装置★★☆☆☆
避雷器の動作原理とZnO素子
概要
避雷器(LA)は,雷サージや開閉サージによる異常過電圧の波高値を制限し,変圧器などの電気機器を保護する装置。現在は酸化亜鉛(ZnO)素子の非線形抵抗特性を利用したギャップレス避雷器が主流で,続流を実質ゼロに抑えられる。ZnO素子の特性とギャップレス構造の利点・旧来のSiC素子との違いを理解することが重要。
📖用語
LA(Lightning Arrester):避雷器。異常過電圧のピーク値(波高値)を制限して電気機器を保護する装置。
ZnO素子(酸化亜鉛素子):現在の避雷器に標準的に使用される非線形抵抗体。低電圧時は高抵抗,高電圧時に急激に低抵抗となるバリスタ特性を持つ。
ギャップレス避雷器:ZnO素子の優れた非線形特性を活かし,直列ギャップを設けない構造の避雷器。続流が実質ゼロで応答速度が速い。
続流:雷サージ消滅後も商用周波数の系統電圧により避雷器を通じて流れ続ける電流。
制限電圧:避雷器が放電中に端子間に現れる最大電圧。保護対象機器の絶縁耐力と比較して選定する。
SiC素子(炭化ケイ素素子):ZnO以前に使用された非線形抵抗体。非線形性がZnOより低く,直列ギャップが必要だった。
避雷器(LA:Lightning Arrester)は,雷サージや開閉サージによる異常過電圧の波高値を制限し,変圧器や遮断器などの電気機器を保護する装置。
避雷器の動作原理
1. 通常時(商用周波数電圧):素子の抵抗値が高く,ほぼ絶縁体として動作(電流ほぼゼロ)
2. 異常過電圧発生時:素子の抵抗値が急激に低下し,サージ電流を大地に放流してピーク電圧を抑制
3. サージ消滅後:素子の抵抗値が自動的に回復し,続流を遮断
ZnO(酸化亜鉛)素子の特性
現在の標準的な避雷器に使用される非線形抵抗体。
バリスタ特性(非線形特性):
・低電圧時:抵抗が非常に大きい(絶縁体に近い)
・高電圧時:抵抗が急激に低下(電流が指数関数的に増加)
電流−電圧特性:V = K × I1/α(α = 25〜50 程度と大きく,非線形性が高い)
以前使用された SiC(炭化ケイ素)素子との比較:
・SiC 素子:αが小さく非線形性が低い → 直列ギャップが必要
・ZnO 素子:αが大きく非線形性が高い → 直列ギャップが不要(ギャップレス)
ギャップレス避雷器の特徴
•続流(商用周波数電流)が実質的に流れない → 遮断機能が不要
•応答速度が速い(直列ギャップの放電遅延がない)
•保護レベルが低い(制限電圧が低い)
•信頼性・寿命が高い
•現在の変電所用・系統用避雷器の主流
関連用語
•波高値:電圧・電流波形の最大値(ピーク値)= 実効値 × (正弦波の場合)
•波頭長:雷撃波が波高値に達するまでの時間(標準雷撃波:1.2 μs)
•続流:サージ消滅後に商用周波数の系統電圧により流れ続ける電流
•制限電圧:避雷器が放電中に端子間に現れる最大電圧(機器の絶縁耐力と比較する)

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