機械パワーエレクトロニクス整流回路・コンバータ★★☆☆☆
単相半波ダイオード整流回路と還流ダイオード
概要
交流を直流に変換する単相半波ダイオード整流回路の動作と,誘導性負荷に対して用いる還流ダイオードの役割を説明する。還流ダイオードの有無によって負荷電圧波形と電流継続期間がどう変わるかを理解することが重要。
📖用語
還流ダイオード(フリーホイールダイオード):誘導性負荷の電流を循環させるために負荷と並列に接続するダイオード
誘導性負荷:リアクトル(インダクタンス)を含む負荷。電流変化を妨げる性質を持つ
単相半波整流回路:交流電源とダイオード1個で構成する最も基本的な整流回路
リプル:整流後の直流電圧・電流に残る脈動成分
還流ダイオード(環流ダイオード)とは
誘導性負荷(リアクトルを含む負荷)では,電圧がゼロ以下になっても電流が継続して流れる。還流ダイオード(フリーホイールダイオード)は,この電流が流れ続けるための経路(バイパス)を提供するダイオードである。負荷と並列に接続し,電源電圧が負のときに電流を循環させる。
単相半波ダイオード整流回路とは
交流電源と整流ダイオード1個で構成する最も基本的な整流回路。交流の正の半サイクルのみ電流を流し,負荷に直流(脈動した)電圧を供給する。
RL負荷(抵抗+リアクトル直列)の場合の特性
リアクトルLが存在すると,電流の変化が妨げられるため,以下の現象が起きる。
•負荷電圧 ed は電源電圧が正の半波形だが,電流が流れている間,電源電圧がゼロ以下になっても電流が継続する(電流の零越えが遅れる)。
•負荷電流 id は正弦波状の電圧に遅れて立ち上がり・立ち下がる(電流波形が電圧波形より遅延し,ゼロ以降もしばらく流れ続ける)。
還流ダイオードの効果
還流ダイオード(フリーホイールダイオード)を負荷に並列接続すると:
•電源電圧が負になったときに,リアクトルのエネルギーが還流ダイオードを通じて負荷回路を還流するため,負荷電圧がゼロ以下にならない(電圧波形は正の半波のみになる)。
•電流の流れる期間が還流ダイオードなしの場合より長くなる(電流が連続する)。
| 状態 | 負荷電圧波形 | 電流期間 |
|---|---|---|
| 還流ダイオードなし | RL負荷の力率に応じた波形(一部負値あり) | 電源電圧の零越えより長い |
| 還流ダイオードあり | 正の半波のみ(ゼロ以下なし) | さらに長くなる |
使い方・ポイント
還流ダイオードを追加すると,電流の連続性が増して負荷電圧の平均値が上がり,リアクトル電流のリップルも低減される。

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