電力変電・送配電機器力率改善・進相コンデンサ★★☆☆☆

力率改善と進相コンデンサの設計

概要
遅れ力率の負荷に進相コンデンサ(SC)を並列接続して無効電力を補償し,力率を改善する技術。力率改善により線路損失の低減・電圧降下の改善・変圧器容量の有効利用が図れる。必要なコンデンサ容量は Qc = P × (tanφ1 − tanφ2) で計算し,変圧器の定格容量制約と組み合わせた設計問題として出題される。
📖用語
進相コンデンサ(SCStatic Capacitor):進み無効電力を発生させて遅れ無効電力を補償し、力率を改善するための静止機器。
力率(cosφ)皮相電力に対する有効電力の比。値が1に近いほど電力を効率よく利用できる。
皮相電力(S)有効電力と無効電力をベクトル合成した電力の大きさ[VA]。変圧器・発電機の容量制限となる。
有効電力(P)実際に仕事をする電力[W]。負荷で消費される。
無効電力(Q)エネルギーを消費せず電源と負荷の間を往復する電力[var]。遅れ負荷では正の値となる。
複素電力(S)S = P + jQ で表される電力の複素数表現。
電力の三角形S・P・Q の関係を直角三角形で表したもの。S2 = P2 + Q2 が成り立つ。
遅れ力率の負荷に進相コンデンサ(SC)を並列接続して無効電力を補償し,力率を改善する技術。変圧器容量の有効利用・電圧改善・損失低減に効果がある。
📐基本公式:電力の三角形
複素電力 S = P + jQ [VA]
S(皮相電力)[VA] = P2 + Q2
P(有効電力)[W] = S × cosφ
Q(無効電力)[var] = S × sinφ
cosφ(力率)= PS = PP2 + Q2
sinφ = QS = 1 − cos2φ
遅れ負荷(誘導性):Q > 0(遅れ無効電力)
進相コンデンサ:Qc < 0(進み無効電力)を供給 → 合成無効電力を低減
📐基本公式:進相コンデンサ容量
力率を cosφ1 から cosφ2(> cosφ1)に改善するために必要なコンデンサ容量:
Qc = P × (tanφ1 − tanφ2) [var]
P:有効電力[W],tanφ = sinφcosφ(力率角の正接)
変圧器容量の有効利用
変圧器容量は皮相電力 S [VA] で制限される。
力率が低いと同じ有効電力 P でも必要な皮相電力 S = Pcosφ が大きくなる。
力率改善により S を減らすことで,同じ変圧器容量でより多くの有効電力を供給できる。
力率改善の効果まとめ
線路・変圧器の電流低減 → 損失(I2R)が低減
電圧降下の低減 → 末端電圧の改善
変圧器・発電機の容量の有効利用(同じ容量でより多くの有効電力を供給)
電力料金の削減(力率割引・割増の適用)
図1
関連問題数:1

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