法規施設管理水力・太陽光発電の電力量計算★★☆☆☆

流込式水力発電所の溢水日数と年間可能発電電力量

概要
流込式水力発電所では,河川の自然流量を使って発電するため,流量が最大使用水量を超えると超過分が無効放流(溢水)される。年間流況曲線を利用して溢水日数を求め,期間ごとの発電出力を積算することで年間可能発電電力量を算出する。水力発電出力の公式 P = ρgQHη の活用が中心となる。
📖用語
流込式水力発電所河川の自然流量をそのまま利用する水力発電所。貯水池を持たないため,流量が最大使用水量を超えると余剰分は発電に使えない
溢水(いっすい)発電に利用できる最大使用水量 Qmax を超えた河川流量が,そのまま無効放流される現象
流況曲線1年間(365日)の河川流量を多い順に並べたグラフ。横軸:通算日数,縦軸:流量
年間可能発電電力量溢水日数を除いた実稼働日に発電できる電力量の合計
溢水(オーバーフロー)とは
河川の流量が発電所の最大使用水量 Qmax を超えた場合,超過分は発電に利用できずに無効放流(溢水)される。
溢水が発生する日数の求め方
年間流況曲線(横軸:通算日数 d,縦軸:流量 Q)を使う。
流量が Qmax を超える日数が溢水日数になる。
流況曲線が直線式 Q(d) = ad + b で表される場合,Q(d) = Qmax となる日数 d0 を求め,d < d0 の日数が溢水日数となる。
年間可能発電電力量の求め方
発電所出力の公式:P = ρgQHη [W]
ρ:水の密度(1000 kg/m3
g:重力加速度(9.8 m/s2
Q:実際に使用する水量(溢水期間は Qmax,その後は流況曲線上の値)
H:有効落差[m]
η:総合効率(水車効率 × 発電機効率)
年間電力量 = 溢水期間の発電量 + 残り期間の発電量
残り期間は,流況曲線を日数で積分して水量の積算値(m3/s・日)を求め,24時間を掛けて電力量に変換する。
計算手順
Step 1:溢水が終わる日数 d0 を流況曲線式から求める(Q(d0) = Qmax
Step 2:溢水期間(d < d0)の発電量 E1 = Pmax × d0 × 24 [kWh]
Step 3:残り期間(d0 〜 365日)の流量積算値をΣ計算または積分で求める
Step 4:残り期間の発電量 E2 を求める
Step 5:年間可能発電電力量 = E1 + E2
図1
関連問題数:1

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