機械誘導機三相誘導電動機の特性★★☆☆☆
三相かご形・三相巻線形誘導機の構造と特徴
概要
三相誘導電動機のかご形と巻線形の構造上の違いと特徴を扱う。かご形は回転子が鉄心と導体棒のみで構成され,堅牢で安価。巻線形は外部抵抗を接続できるため始動特性を調整できる。発電機運転や滑りの正負についても理解が必要。
📖用語
かご形誘導機:回転子導体をかご状に短絡した構造の誘導機。コイルやスリップリングが不要で堅牢・安価。
巻線形誘導機:回転子に三相巻線を持ち,スリップリングを介して外部抵抗を接続できる誘導機。始動特性の調整が可能。
スリップリング:回転子巻線と外部回路を電気的に接続するための環状接触部品。巻線形誘導機に使用される。
アルミダイカスト:溶融アルミニウムを金型に圧入して成形する鋳造法。小形かご形誘導機の回転子に採用される。
滑り(スリップ)s:誘導機の同期速度と実際の回転速度の差を同期速度で除した無次元量。電動運転時は 0<s<1,発電運転時は s<0。
三相誘導電動機とは
固定子に三相交流を流すと生じる回転磁界が,回転子の導体に電流を誘導し,
その電流と磁界の相互作用でトルクが発生する電動機。外部電源なしで自己始動できる。
•かご形:回転子導体が短絡された籠状構造。構造が簡単で堅牢,保守が少ない
•巻線形:回転子に三相巻線を持ち,外部抵抗を接続して始動トルクや速度を調整できる
構造上の特徴
•回転子:棒状の導体(銅棒またはアルミ棒)をかご形に接続。コイルや絶縁が不要。
•アルミダイカスト回転子:小形誘導電動機に使われる製造法。大容量機には銅棒を使用。
•巻線形誘導機より構造が簡単・安価で,保守も容易。
•回転子が強固なため,機械的に過酷な使用(粉じん環境,高頻度始動)にも耐えられる。
発電機運転
水力発電や風力発電に採用されることがある。
発電運転中の滑りは負(s < 0):回転子が同期速度を超えて回転。
かご形(三相かご形)vs 巻線形(三相巻線形)の比較
| 項目 | かご形(三相かご形) | 巻線形(三相巻線形) |
|---|---|---|
| 構造 | 簡単・安価(コイル・スリップリング不要) | 複雑・高価(スリップリングあり) |
| 回転子材料 | 銅棒(大容量)またはアルミダイカスト(小形) | 巻線(コイル) |
| 始動特性 | 劣る(Y-Δ始動等が必要) | 二次抵抗で改善可 |
| 発電機運転 | 可能(s < 0,小水力・風力発電に採用) | 可能 |
| 機械的強度 | 高い(粉じん環境・高頻度始動に耐える) | かご形より劣る |
| 保守 | 容易 | スリップリングの保守が必要 |

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