機械直流機直流電動機の特性・速度制御★★☆☆☆
直流機の電機子反作用と補極・補償巻線
概要
直流機において電機子電流が主磁束に影響を与える電機子反作用と,その対策として設けられる補極・補償巻線について説明する。電機子反作用は整流子の損傷につながるため,その原理と対策の違いを理解することが重要。
📖用語
電機子反作用:電機子巻線の電流が生じる磁束が,主磁束(界磁磁束)に影響を与える現象
幾何学的中性軸:2つの磁極の幾何学的な中間位置。ブラシが置かれる位置
電気的中性軸:磁束密度がゼロになる位置。電機子反作用によって幾何学的中性軸からずれる
補極(インターポール):主磁極間に設けた小さな磁極。電気的中性軸を補正する
補償巻線:主磁極面に設けた巻線。電機子反作用を直接打ち消す
電機子反作用とは
直流機において,電機子巻線に負荷電流が流れると,この電流によって電機子磁束が生じる。この電機子磁束が主磁束(界磁磁束)に影響を与える現象を電機子反作用という。電機子反作用によって,幾何学的中性軸(2つの磁極の中間)と電気的中性軸(磁束密度がゼロになる位置)がずれる。
中性軸のずれと整流への影響
ブラシは幾何学的中性軸に置かれているが,電機子反作用によって電気的中性軸が移動するため,ブラシと整流子片の間に電圧差が生じ,火花が発生して整流子を損傷するおそれがある。
補極と補償巻線の役割と使い分け
•補極(インターポール):主磁極間に設けた小さな磁極。電機子電流に比例した磁束を発生させて電気的中性軸を幾何学的中性軸に戻す。構造が簡単で小形機に多く採用される。
•補償巻線:固定子の主磁極面に設けた巻線。電機子電流と逆方向に電流を流して電機子反作用を直接打ち消す。大形機や電流変動が大きい機器に採用される。
使い方・ポイント
補極と補償巻線はいずれも電機子反作用の影響を軽減するが,補極のほうが構造が簡単で小形機向き,補償巻線はより完全な補償が可能で大形機向きである。小形機では補極が一般的に用いられる。

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