電力火力発電熱サイクル・熱効率★★☆☆☆
発電端効率と燃料消費量の計算
概要
火力発電所の発電端効率は「発電端電力量 ÷ 投入熱量 × 100 [%]」で求め,燃料消費量は効率と発熱量から逆算する。また炭素成分比と原子量比(C:CO2 = 12:44)を使ったCO2排出量の計算も頻出。ランキンサイクル・再熱サイクル・コンバインドサイクルなど熱効率向上策の知識も合わせて整理する。
📖用語
発電端効率:発電所が燃料の持つ熱エネルギーを電気エネルギーに変換する効率。発電端電力量 ÷ 投入熱量 × 100 [%] で求める。
USC(Ultra Super Critical:超々臨界圧):蒸気圧力・温度を極めて高くした超々臨界圧火力発電方式。熱効率 43〜49 % 程度と高い。
ランキンサイクル:蒸気を作動流体とする火力発電の基本熱サイクル。ボイラ・タービン・復水器・給水ポンプで構成される。
再熱サイクル:タービンで膨張途中の蒸気をボイラに戻して再加熱し,再びタービンで仕事をさせることで効率を高めるサイクル。
コンバインドサイクル(複合発電):ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせて廃熱を回収し,単純サイクルより高い熱効率(50〜60 % 以上)を実現する発電方式。
火力発電所の性能を表す発電端効率の計算方法と,燃料消費量・CO2 排出量の計算手順。
📐基本公式:発電端効率
発電端効率 η = 発電端電力量 Wout投入熱量 Qin × 100 [%]
投入熱量:Qin = 燃料消費量 m × 燃料の発熱量 H [J]
m:燃料消費量[kg],H:低位発熱量[kJ/kg](または高位発熱量)
単位換算の注意:
1 kW·h = 3,600 kJ(3,600,000 J)
1 MW·h = 3,600 × 103 kJ = 3.6 × 106 kJ
1 t(トン)= 1,000 kg
📐基本公式:燃料消費量
m = QinH = WoutηH [kg]
または
m = Woutη × H [kg]
CO2 排出量の計算手順
炭化水素系燃料の完全燃焼により CO2 が排出される。
ステップ1:燃料中の炭素質量比を求める
方法①化学式が与えられている場合:分子量と炭素の原子量から計算する。
方法②重量成分比が与えられている場合:そのまま使用する。
ステップ2:炭素質量を計算する
mC = m × 炭素質量比
ステップ3:CO2 排出量を計算する
燃焼反応:C → CO2(原子量 12 → 分子量 44)
C 1 mol(12 g)が燃焼すると CO2 1 mol(44 g)が発生する。
CO2 質量C 質量 = 4412 ≈ 3.667
mCO2 = mC × 4412 [kg]
熱サイクル効率の向上方策
現代の超臨界圧・超々臨界圧(USC)火力発電所の熱効率は 43〜49 % 程度。
さらに向上させる方策:
・蒸気温度・圧力の高温高圧化(ランキンサイクルの改善)
・再熱サイクル(膨張途中の蒸気を再加熱)の採用
・再生サイクル(給水加熱器による給水温度上昇)の採用
・ガスタービンとの複合発電(コンバインドサイクル):50〜60 % 以上も可能

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