電力火力発電熱サイクル・熱効率★★☆☆☆
汽力発電の熱効率向上方法と再生・再熱サイクル
概要
汽力発電所(蒸気タービン発電所)の熱効率を向上させる主な方策として,高温高圧蒸気の使用,復水器の真空度向上,再熱サイクル,再生サイクル,節炭器の活用がある。特に再生サイクル(給水加熱器)の目的は「給水温度を上げる」ことである。
📖用語
再熱サイクル:高圧タービンで膨張した蒸気を再加熱器(再熱器)で再び過熱してから低圧タービンに送る蒸気サイクル。蒸気の湿り度上昇を抑え熱効率を向上させる。
再生サイクル:タービン途中から蒸気を抽気して給水を予熱する蒸気サイクル。復水器での低品位な放熱を減らして熱効率を向上させる。
節炭器(エコノマイザ):煙道に設置し,排ガスの余熱で給水を予熱する装置。排ガス温度を下げて排熱損失を低減する。
汽力発電所(蒸気タービン発電所)の熱効率向上のための主な方策と,再生・再熱サイクルの原理。
熱効率向上の主な方策
| 方策 | 理由・効果 |
|---|---|
| 高温高圧の蒸気を使用 | カルノー効率 η = 1 − TLTH の観点から,高温(高圧)蒸気ほど理論熱効率が向上する |
| 復水器の真空度を高める | 復水器圧力を低下させて蒸気膨張範囲を広げ,タービン出力を増大させる |
| 再熱サイクルの採用 | 高圧タービンで膨張した蒸気を再加熱してから低圧タービンに戻し,湿り度の上昇を抑えつつ熱効率を向上させる |
| 再生サイクルの採用 | タービン途中から抽気した蒸気で給水を予熱し,復水器での放熱損失を低減する。目的は「給水温度を上げる」ことであり,抽気を利用するのは手段である |
| 節炭器(エコノマイザ)の活用 | 煙道排ガスの熱で給水を予熱し,排ガス温度を下げて排熱損失を低減する |
間違えやすいポイント:再生サイクル(給水加熱器)
給水加熱器はタービンから「抽気」した蒸気を使うが,その目的は「給水温度を上げる」ことである。高温の抽気を有効利用して給水を予熱することで,復水器での低品位な熱放棄を減らして効率を高める。

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