機械パワーエレクトロニクスインバータ・チョッパ・PWM★★☆☆☆

単相ブリッジ電圧形インバータの動作モードと還流ダイオード

概要
IGBTを用いた単相ブリッジ電圧形インバータの回路構成と,誘導性負荷に対する4つの動作モードを説明する。出力電圧の極性と電流の向きの組み合わせにより,IGBTが通電するモードと還流ダイオードが通電するモードを判別できることが重要。
📖用語
インバータ直流電力を交流電力に変換する電力変換装置
IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)絶縁ゲートバイポーラトランジスタ。高電圧・大電流のスイッチングに使われるパワー半導体素子
還流ダイオード(フリーホイールダイオード)誘導性負荷の電流を循環させるためにスイッチング素子と逆並列に接続するダイオード
フルブリッジ回路4つのスイッチング素子をブリッジ状に配置した回路構成。出力に ±Ed の電圧を与えられる
回路構成
直流電源 Ed に,4つの IGBT(Q1Q4)と還流ダイオード(D1D4)をフルブリッジ接続し,誘導性負荷(L・R)に出力電圧 v0 を与える。直流から交流電圧を生成する電力変換装置を電圧形インバータという。
出力電圧の切り替え
Q1Q4 をオン → v0 = +Ed
Q2Q3 をオン → v0 = −Ed
還流ダイオードの役割
誘導性負荷(L を含む)では電流がスイッチング瞬時に反転できない。電圧が切り替わった後も直前の電流方向が維持されるため,IGBT の代わりに還流ダイオードが電流経路を提供する。フリーホイールダイオードとも呼ばれる。
4つの動作モード
区間v0i0 の向き通電デバイス
+EdD1D4(還流ダイオード)
+EdQ1Q4(IGBT)
EdD2D3(還流ダイオード)
EdQ2Q3(IGBT)
IGBT が通電するのは電圧と電流の向きが一致する区間(②④),還流ダイオードが通電するのは向きが逆の区間(①③)。
電流波形と時定数
RL 負荷の時定数 τ = LR [s] に従い,電流 i0 は指数関数的に変化する。時定数が大きいほど変化が緩やかで,定常状態では ±Ip の間を行き来する波形になる。
図1
関連問題数:1

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