電力水力発電水力発電の原理・計算★★☆☆☆
調整池式水力発電所の運転計算
概要
調整池式水力発電所の1日調整運転における最大使用流量と有効貯水容量の計算を扱う。流況曲線から渇水量を読み取り,水量バランス(流入量 × 24時間 = 最大使用流量 × 運転時間)を用いて必要容量を求める手順が頻出。
📖用語
調整池:水力発電所が数時間〜数日分の水量を貯留するための池。需要の多い時間帯に集中放流して発電効率を高める。
流況曲線:横軸に日数,縦軸に流量をとり,流量を大きい順に並べた曲線。河川流量の年間変動を把握するために使う。
渇水量:流況曲線上で355日以上(ほぼ年中)確保できる最小流量。安定して利用できる最低水量を表す。
有効貯水容量:調整池が空にならずに運転を継続するために必要な最小の貯水容量。
調整池式水力発電所は,数時間〜数日の水量を調整池に貯め,需要の多い時間帯に集中的に発電する方式。
流況曲線
横軸に日数,縦軸に流量をとり,大きい順に並べた曲線。渇水量は355日(ほぼ年中)確保できる最小流量。
📐基本公式:1日調整運転の水量バランス
河川流量 Qin [m3/s],発電時間 t [h],最大使用流量 Qmax [m3/s] とすると:
水量バランス(1日分の総流入量 = 総使用量):
Qmax × t × 3600 = Qin × 24 × 3600
→ Qmax = Qin × 24t
非発電時間(24 − t 時間)に貯まる水量(有効貯水容量):
V = Qin × (24 − t) × 3600 [m3]
補足:発電時には流入流量 Qin 分が直接使われ,差分(Qmax − Qin)が調整池から放出される。
📐基本公式:有効貯水容量
調整池が空にならないための必要容量:
Vmin = (Qmax − Qin) × t × 3600 [m3]
2式の関係
上記の V(非発電時間に貯まる水量)と Vmin(発電時間に放出される水量)は,水量バランス Qmax = Qin × 24t を代入すると等しくなる:
Vmin = (Qin × 24t − Qin) × t × 3600 = Qin × (24 − t) × 3600 = V
1日サイクル運転(貯水池の水位が毎日同じ状態に戻る)を前提とするため両式は同値であり,問題に応じていずれの式を使っても同じ結果が得られる。

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