電力水力発電水力発電の原理・計算★★★☆☆

水力発電の種類と分類

概要
水力発電所は,水の位置エネルギー(落差)と運動エネルギー(流量)を電気エネルギーに変換する発電設備である。落差の得方(水路式・ダム式・ダム水路式)と流量の調整方法(流込み式・調整池式・貯水池式・揚水式)による分類が頻出。発電電力は P = 9.8QHη [kW] の公式で求める。
📖用語
位置エネルギー高さ(落差)に比例して水が持つエネルギー。水力発電の主なエネルギー源。
運動エネルギー流速の2乗に比例して水が持つエネルギー。
落差水の上流面と下流面の水位差。発電電力に直接比例する。
流量単位時間あたりに流れる水の体積[m3/s]。発電電力に直接比例する。
水路式河川の自然勾配と導水路・鉄管で落差を得る取水方式。建設費が安く急峻な地形に適する。
ダム式ダム自体の水位差で落差を得る取水方式。大容量貯水が可能だが建設費が高い。
ダム水路式ダムと水路を組み合わせて落差を得る取水方式。最も広く採用されている。
流込み式自然流量をそのまま利用する貯水なしの発電方式。設備が単純でベース電力供給に適する。
調整池式日・週単位で流量を調整できる池を持ち、需要に応じた発電が可能な方式。
貯水池式季節・年単位で調整できる大容量貯水池を持ち、渇水期も安定供給できる方式。
揚水式夜間の余剰電力で下池から上池へ揚水し、昼間に発電する系統調整用の方式。
水力発電所はエネルギー変換方法・取水方式・貯水形態によって分類される。
水力発電のエネルギー源
水力発電は次の2種類のエネルギーを利用する:
位置エネルギー(落差に比例):Ep = m × g × H(H = 落差[m],g = 9.8 ms2
運動エネルギー(流速の2乗に比例,流量に比例):Ek = 12 × m × v2
取水方法による分類(3種類)
種類落差の得方特徴適した地形
水路式河川の勾配+導水路・鉄管建設費が比較的安い山岳地帯・急峻な河川
ダム式ダム自体の水位差を利用建設費が高い,大容量貯水が可能低山・平地も可
ダム水路式ダム+水路の組み合わせ両者の長所を活かす,最も広く採用広い地形に対応
貯水の有無による分類(4種類)
種類調整単位特徴適した用途
流込み式調整なし自然流量をそのまま利用,設備が単純ベース電力供給
調整池式日・週単位需要に合わせて流量を調節ピーク負荷対応
貯水池式季節・年単位大容量貯水池で年間調整渇水期も安定供給
揚水式夜間揚水・昼間発電余剰電力で上部ダムへ揚水系統調整・ピーク対応
📐基本公式:水力発電の発電電力
P = 9.8 × Q × H × η [kW]
Q:流量[m3/s],H:有効落差[m],η:総合効率(0.8〜0.9 程度)
図1
関連問題数:2

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