理論電子理論トランジスタ・増幅回路★★★☆☆

トランジスタの静特性・hパラメータとエミッタフォロワ回路

概要
トランジスタの静特性グラフから電流増幅率(hfe)と出力インピーダンス(1hoe)を読み取る方法、およびエミッタフォロワ(コレクタ接地)回路のバイアス設計と入力インピーダンス計算を扱う。エミッタフォロワは電圧利得がほぼ1でインピーダンス変換に使われる重要な基本回路。
📖用語
静特性直流動作点における電圧・電流の関係を表すグラフ。エミッタ接地では ICVCE 特性が代表的。
hパラメータトランジスタの小信号動作を表す等価回路定数。h は hybrid(混成)の略。
hfe電流増幅率。コレクタ電流 IC とベース電流 IB の比(hfe = ICIB)。
hoe出力コンダクタンス。静特性グラフの IB 一定時の傾き(ΔICΔVCE)。
エミッタフォロワコレクタを電源に直結し,入力をベース,出力をエミッタから取り出す回路。電圧利得はほぼ 1 でインピーダンス変換に使われる。
バイアストランジスタを適切な動作点に設定するために直流電圧・電流を与えること。
トランジスタの3端子とGND
トランジスタはベース(B)・コレクタ(C)・エミッタ(E)の3端子を持つ。
B(ベース):R1R2 の接続点につながり,コンデンサ経由で入力信号が加わる信号入力端子。小さい電流で C-E 間の大きな電流を制御する
C(コレクタ):電源(VCC)に直接つながっており,出力電流 IC が流れ込む
E(エミッタ):エミッタ抵抗 RE を経由して GND へつながり,コンデンサ経由で出力 vo を取り出す
GND(グラウンド):回路の電位基準点(0 V)。すべての電圧はこの点を基準に測る。
静特性とは
トランジスタの静特性とは,直流動作点における電圧・電流の関係を表すグラフのこと。エミッタ接地では IC(コレクタ電流)を縦軸,VCE(コレクタ・エミッタ間電圧)を横軸にとった「IC - VCE 特性」が代表的。ベース電流 IB をパラメータとして複数の曲線を描き,動作点の決定や各種パラメータの読み取りに使う。
hパラメータとは
hパラメータとは,トランジスタの小信号動作を表す等価回路定数のこと。「h」は hybrid(混成)の略で,電圧と電流を組み合わせて特性を表す。静特性グラフの傾きや比率から直接読み取れる。
パラメータ記号定義式
電流増幅率hfeICIB(コレクタ電流 / ベース電流)
出力コンダクタンスhoeΔICΔVCEIB 一定時の傾き)
出力インピーダンス1hoeΔVCEΔIC
エミッタフォロワ(コレクタ接地)回路とは
コレクタを電源に直結(交流的に接地)し,入力をベースに,出力をエミッタから取り出す回路。出力電圧が入力電圧に追従(フォロー)することから「エミッタフォロワ」と呼ばれる。
主な特徴:
特性内容
電圧利得≈ 1(出力は入力とほぼ同電圧・同位相)
入力インピーダンス高い(エミッタ抵抗が (1+hfe) 倍に見える効果による)
出力インピーダンス低い
用途高インピーダンス源と低インピーダンス負荷の間に挿入するバッファ(インピーダンス変換器)
エミッタフォロワの見分け方
エミッタフォロワ(コレクタ接地)は以下の3点で特定できる:
1. コレクタが電源(VCC)に直接つながっている(コレクタ側に負荷抵抗がない)
2. エミッタに抵抗(RE)があり,そこから出力を取り出している
3. 入力はベースに加えられている
エミッタ接地回路との違いは「出力をどこから取り出すか」にある(エミッタ接地ではコレクタから取り出す)。
📐基本公式:エミッタフォロワのバイアス設計
R1VCC 側からベースに電流を流してベース電位を引き上げ,R2 は GND 側へ電流を逃がしてベース電位を引き下げる。この分圧によりバイアス電圧 VB が決まる。VBR2 の両端(ベース〜GND)の電圧なので,分子に R2 が入る。
ベース電圧:VB = VCC × R2R1 + R2
エミッタ電圧:VE = VB - VBEVBE ≈ 0.7V)
エミッタ抵抗:RE = VEIE
📐基本公式:エミッタフォロワの入力インピーダンス
トランジスタ単体:Ztr = hie + (1 + hfe) × RE
全入力インピーダンス:Zin = R1R2Ztr の並列合成
図1図2
関連問題数:2

💬公開コメント(0)誰でも閲覧可

公開コメントはまだありません。

0 / 200 ※ログインしていない場合はゲストとして公開されます