機械同期機同期発電機・同期電動機の特性★★☆☆☆
三相同期発電機の持続短絡電流と短絡比
概要
三相同期発電機の無負荷試験と三相短絡試験のデータから短絡比を求め,三相短絡事故時の持続短絡電流を計算する方法を扱う。短絡比は同期インピーダンスと密接に関連し,電力系統への影響を評価するうえで重要な指標となる。
📖用語
無負荷試験:発電機を無負荷(出力端開放)で運転し,界磁電流と端子電圧の関係を測定する試験。
三相短絡試験:発電機の出力端を三相短絡した状態で運転し,界磁電流と短絡電流の関係を測定する試験。
短絡比 Ks:無負荷定格電圧に必要な界磁電流を,短絡定格電流に必要な界磁電流で除した値。同期インピーダンスの逆数に比例する。
磁気飽和:鉄心の磁束密度が増加に伴い磁化曲線が非線形になり,界磁電流を増やしても磁束がほとんど増加しなくなる現象。
三相同期発電機とは
回転子の界磁巻線に直流を流して磁極を作り,固定子コイルに三相交流電圧を発生させる発電機。
出力電圧の大きさは界磁電流で,周波数は回転速度(極数と回転数)で決まる。
三相同期発電機の持続短絡電流と短絡比の計算方法を説明します。
試験データの定義
•無負荷試験:界磁電流 If0 → 無負荷端子電圧 V0(定格電圧)
•三相短絡試験:界磁電流 Ifs → 持続短絡電流 Isc(= 定格電流 In)
📐基本公式:短絡比
Ks = If0Ifs(無負荷定格電圧に必要な界磁電流 ÷ 短絡定格電流に必要な界磁電流)
磁気飽和がなければ短絡電流は界磁電流に比例するので,
界磁電流が If0 のとき(発電機運転中)に三相短絡が発生すると:
Isc(If0) = In × If0Ifs = Ks × In
📐基本公式:定格電流
In = S × VL(S:定格容量,VL:定格線間電圧)
間違えやすいポイント
•短絡比 Ks は If0Ifs(無負荷定格電圧の界磁電流 ÷ 短絡定格電流の界磁電流)であり,逆に計算しないこと。
•「発電機の出力端で三相短絡」とあれば,界磁電流は無負荷定格電圧時の値 If0 のまま継続することを前提とする。

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