電力送電・配電配電方式・故障計算★★☆☆☆

ループ式配電線路の電流分担と電圧降下計算

概要
ループ(環状)配電線路では、開閉器の開放時と投入時で電流分布が異なる。開放時は放射状フィーダとして各区間電流を積算し、投入時はキルヒホッフの電圧法則(KVL)でループ電流を設定して各区間の電流を求める。開閉器を投入するとループ形成により各区間電流が減少し、電圧降下の改善と系統信頼性の向上が図れる。
📖用語
ループ配電(環状配電)電源から2方向に電線を引き出し、末端で接続してリング状にした配電方式。開閉器で区間を制御し、停電範囲を最小化できる。
KVL(キルヒホッフの電圧法則)閉ループを一周する電圧降下の代数和はゼロになる法則。ループ配電の電流分担計算に使用する。
スポットネットワーク複数の電源から同一母線に接続し、電源冗長性を高めた配電方式。重要負荷に適用される。
こう長電線路の延長距離(線路の長さ)。電圧降下はこう長に比例する。
スポットネットワークや開閉器付きループ配電では,電流分担をキルヒホッフの電圧法則(KVL)で求める。
開閉器開放時(放射状フィーダ)
開閉器を開くとループが分断され,各フィーダは独立した放射状になる。各区間の電流は下流側の負荷電流の合計。
線間電圧降下の公式:
ΔV = 3 × I × R × cosφ [V](R:1線の線路抵抗 [Ω]。cosφ = 1(力率100%)のときは ΔV = 3 × I × R となる)
A点からC点への電圧降下(2区間経由):
ΔVAC = 3 × (I1 × R1 + I2 × R2)
開閉器投入時(ループ配電)
(図を参照)
S を投入するとループが形成される。A→B→S→C→D→A の向きに流れる電流を x [A] と置く。
各区間の電流(図の負荷で順次引いていく):
A→B:x [A]
B→S(S を流れる電流 i):x − IB [A](B で IB が分岐)
C→D:x − IBIC [A](C で IC が分岐)
D→A:x − IBICID [A](D で ID が分岐)
KVL(ループ一周の電圧降下の代数和 = 0):
Σ(Ik × Rk) = 0 を各区間の電流と抵抗で立式し,x を求める。
S を流れる電流:i = x − IB
ループ配電の利点
開閉器投入により電流が2方向から供給されるため,各区間の電流が減少し電圧降下が改善する。
故障時に開閉器で区間を切り離すことで,停電範囲を最小化できる(系統の信頼性向上)。
図1
関連問題数:1

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