理論電気回路交流回路★★☆☆☆

並列RLC回路の並列共振

概要
並列RLC回路とは、抵抗 R・コイル L・コンデンサ C が同じ2端子間に並列接続された回路のことである。誘導性リアクタンス XL と容量性リアクタンス XC が等しくなる周波数を並列共振周波数といい、このとき回路の合成アドミタンスの虚部が打ち消し合い、回路は純抵抗として動作する。直列共振と混同しやすいため、アドミタンスを用いた考え方を正確に理解することが重要である。
📖用語
アドミタンス(Y)インピーダンス Z の逆数。Y = 1Z [S(ジーメンス)]。並列回路では各枝のアドミタンスを足し合わせることで合成アドミタンスを求める。
誘導性リアクタンス(XLコイルが交流電流を妨げる度合い。XL = ωL = 2πfL [Ω]。周波数が高いほど大きくなる。
容量性リアクタンス(XCコンデンサが交流電流を妨げる度合い。XC = 1ωC = 12πfC [Ω]。周波数が低いほど大きくなる。
並列共振XL = XC が成立する状態。コイル枝とコンデンサ枝の電流が互いに打ち消し合い、電源からはインピーダンス Z = R(純抵抗)に見える。
力率(cosφ)有効電力と皮相電力の比。並列共振時は虚部がゼロとなり、力率 = 1 になる。
📐基本公式:並列RLC回路のアドミタンス
R・XLXC が並列接続されている場合、合成アドミタンスは:
Y = 1R + 1jXL + 1−jXC
= 1R + j(1XC1XL)
実部(コンダクタンス):1R
虚部(サセプタンス):1XC1XL
並列共振条件(XL = XC)のとき:
虚部 = 0 → Y = 1R
合成インピーダンス Z = R(純抵抗)
力率 cosφ = 1
📐基本公式:各枝に流れる電流
端子電圧を V とすると、各枝の電流は:
抵抗枝:IR = VR(電圧と同位相)
コイル枝:IL = VXL(電圧より 90° 遅れ)
コンデンサ枝:IC = VXC(電圧より 90° 進み)
並列共振時(XL = XC)では ILIC の大きさが等しく互いに逆位相のため打ち消し合う。
電源から流れ込む電流 = IR のみとなり、電源から見ると純抵抗負荷として動作する。
直列共振との違い
比較項目直列共振並列共振
R・L・C の接続直列(一本道)並列(同じ端子に接続)
共振条件XL = XC(同じ)XL = XC(同じ)
共振時のインピーダンス最小(Z = R)最大(Z = R)
共振時の電流最大最小(電源電流は IR のみ)
力率1(純抵抗)1(純抵抗)
解法のポイントインピーダンスを直接合成アドミタンスで合成してから逆数
三相Y接続回路での利用
三相 Y 接続回路で各相の負荷が並列 RLC の場合、まず相電圧 Vp = VL3 を求め、次に各相のインピーダンスを算出してから線電流(=相電流)と三相電力を計算する。並列共振時は Z = R となるため計算が単純化される。
図1
関連問題数:1

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