理論静電気・電磁気静電気・電界・コンデンサ★★☆☆☆
多層誘電体コンデンサと蓄積エネルギー
概要
複数の誘電体を積み重ねた(直列)または横に並べた(並列)コンデンサ構造において、各層の電界・電束密度・静電容量を求める手法を扱う。直列配置では各層を貫く電束密度 D が共通、並列配置では各層にかかる電圧が共通となる点が重要で、コンデンサの蓄積エネルギー U = 12CV2 の比較にも用いられる。
📖用語
電束密度(D):電界と誘電率の積(D = ε0εr × E)で定義される量。誘電体を積み重ねた直列構造では各層を通して同一の値となる。
比誘電率(εr):真空を基準(εr = 1)とした、誘電体の電場を弱める能力を表す無次元の比。値が大きいほど電界が弱まり静電容量が増加する。
蓄積エネルギー(U):コンデンサに蓄えられる電気的エネルギー。U = 12CV2 で計算される。
多層誘電体コンデンサとは
誘電率の異なる誘電体を複数重ねた(直列接続)または横に並べた(並列接続)コンデンサ構造。
電界・電束密度の境界条件により,各誘電体層で電圧・電荷の分布が変わる。
直列接続(層を積み重ねた構造)
直列配置では各導体板に蓄えられる電荷 Q が等しく,D = QS(S:極板面積)が各層で共通となる(境界面に自由電荷がない閉じた系)。
各誘電体層を貫く電束密度 D は同一(D = ε0εr × E):
各層の電界:Ei = Dε0 × εri → 比誘電率が大きいほど E は小さい
各層の静電容量:Ci = ε0εri × Sdi
合成静電容量:1C = Σ(1Ci)(直列合成)
並列接続(誘電体を横に並べた構造)
各層にかかる電圧 V は同一(全て同じ電圧):
各層の電界:Ei = Vd(厚さが同じなら全て等しい)
各層の静電容量:Ci = ε0εri × Sid
合成静電容量:C = Σ Ci(並列合成)
📐基本公式:蓄積エネルギー
U = 12 × C × V2
2 つのコンデンサの蓄積エネルギーの比 = 静電容量の比(電圧 V が同じなら)
計算のポイント
直列配置:E が層ごとに異なる(比誘電率の逆比に比例)
並列配置:E は全層で同じ(同一電圧を同一厚さで割るから)

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