法規電気設備技術基準感電・火災防止(接地・絶縁等)⚖️ 電気設備の技術基準の解釈★★☆☆☆

変圧器のB種接地抵抗値と常時漏洩電流の計算

概要
B種接地工事の接地抵抗値の上限計算と,三相3線式低圧電路の一端子接地時に接地抵抗を流れる常時充電電流(漏洩電流)の計算を扱う。遮断時間に応じた上限値(150・300・600 のいずれかを I1 で除した値)と,充電電流の公式 IB = 3 × V × 2πfC を使い分けることが重要である。
📖用語
B種接地工事変圧器の低圧側中性点または一端子に施す接地工事。混触事故時の低圧側対地電圧上昇を抑制する
1線地絡電流(Ig)高圧電路で1線が大地に地絡したときに流れる電流[A]。B種接地抵抗の上限値 = 150 ÷ Ig
常時漏洩電流正常運転時に低圧電路から大地へ流れる微小な電流。B種接地工事に流れる電流の一つ
⚖️条文(要約)
B種接地工事(電技解釈 第17条)
B種接地工事は,次の各号によること。
一 接地抵抗値は,17-1表に規定する値以下であること。
17-1表
接地工事を施す変圧器の種類当該変圧器の高圧側又は特別高圧側の電路と低圧側の電路との混触により,低圧電路の対地電圧が150Vを超えた場合に,自動的に高圧又は特別高圧の電路を遮断する装置を設ける場合の遮断時間接地抵抗値(Ω)
下記以外の場合150Ig
高圧又は35,000V以下の特別高圧の電路と低圧電路を結合するもの1秒を超え2秒以下300Ig
高圧又は35,000V以下の特別高圧の電路と低圧電路を結合するもの1秒以下600Ig
(備考)Ig は,当該変圧器の高圧側又は特別高圧側の電路の1線地絡電流(単位:A)
B種接地抵抗値の上限
変圧器の低圧側に施すB種接地工事の抵抗値上限は,1線地絡電流 I1 と遮断時間によって決まる。
遮断時間1秒以内:RB600I1 [Ω]
遮断時間1秒超2秒以内:RB300I1 [Ω]
遮断時間2秒超または遮断装置なし:RB150I1 [Ω]
低圧三相電路の常時充電電流(漏洩電流)
B種接地された低圧三相3線式電路(一端子接地)では,非接地の2線が対地静電容量を通じて充電電流を流し,その電流がB種接地抵抗 RB を通して大地に戻る。
接地端子の電位 = 0(接地点)として,非接地の2線の対地電圧は線間電圧 V [V] となる。
各線の充電電流の大きさ:Ic = V × 2πfC [A](V:線間電圧,f:周波数,C:対地静電容量[F])
2線分のベクトル和:IB = 3 × V × 2πfC [A](三相一端子接地の場合の公式)
使い方・ポイント
非接地2線それぞれの対地電圧は線間電圧 V となる(一端子接地のため,非接地2線の対地電位は接地点を基準に線間電圧分だけずれる)。
RB に流れる充電電流は公式 IB = 3 × V × 2πfC で求める(三相一端子接地の場合)。
B種接地抵抗が小さい場合,RB に流れる電流は充電電流のベクトル和と RB の積で決まる。
図1
関連問題数:1

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