逆フラッシオーバとは
通常,雷撃は架空地線(避雷線)や鉄塔に当たる。
鉄塔に雷撃が命中すると,鉄塔の接地抵抗 R と雷電流 I の積により
鉄塔電位が V = R × I まで上昇し,鉄塔から電力線(送電線)にフラッシュオーバする現象。
これが「逆フラッシオーバ(back flashover)」である。
(1) 不平衡絶縁方式 → 正しい
2 回線送電線路の一方の回線の絶縁レベルを他方より高くする方式。
同一の雷撃に対し,一方の回線はフラッシオーバを起こしても他方は健全を保つ確率が高まる。
2 回線同時停電(二重事故)の確率が低減する。
(2) 架空地線の多条化 → 正しい
架空地線を 1 条から 2 条に増やすと,送電線との電磁結合率が増加する。
雷電流により鉄塔に現れる電圧の一部が電力線にも誘起され,鉄塔-電力線間の電位差が縮小される。
→ アークホーン間電圧が低下し,逆フラッシオーバが抑制される。
(3) 接地抵抗低減と「電力線への雷撃」→ 誤り(正答)
鉄塔の接地抵抗を低減することは,逆フラッシオーバの抑制対策として正しい。
しかし「電力線への雷撃に伴う逆フラッシオーバ」という表現が誤り。
逆フラッシオーバは「鉄塔または架空地線への雷撃」の後,鉄塔電位が上昇して
鉄塔から電力線へとフラッシュオーバする現象である。
「電力線への雷撃」は順フラッシオーバ(直撃雷)であり,逆フラッシオーバとは異なる。
(4) 送電用避雷装置(LA) → 正しい
がいし連に並列に取り付けた LA(アレスタ)により,
サージ電圧が LA の制限電圧に達するとアークホーン間電圧が抑制される。
(5) 遮へい角を小さくする効果 → 正しい
遮へい角が小さい(または負)ほど,架空地線の遮へい範囲が広がり,
電力線への直撃雷を防ぐ遮へい効果が増す。
正答:(3) 「電力線への雷撃に伴う」→ 正しくは「鉄塔(架空地線)への雷撃に伴う」