(1) 非同期連系 → 正しい
直流送電の大きなメリットの一つが「非同期連系(非同期インタータイ)」。
交流系統同士を直接接続すると周波数や位相を同期する必要があるが,
直流を介して連系すれば,異なる周波数(例:50 Hz と 60 Hz)の系統でも連系できる。
(2) リアクタンスと安定度 → 正しい
直流送電線にはリアクタンス(X)がなく,電圧降下は線路抵抗のみによる。
また交流送電の「同期安定度(電力角 δ が 90° を超えると脱調)」の問題がなく,
電線の許容電流限度まで送電できることから長距離・大容量送電に有利。
(3) 直流遮断器の開発課題 → 正しい
交流は電流が周期的にゼロを通過する(電流零点)ため,その瞬間に遮断できる。
直流には電流零点がないため,故障時に生じる大電流を強制的に消弧する必要があり,
大容量直流遮断器の開発は技術的課題とされている。
(4) 「直流電圧の最大値 > 同じ実効値の交流電圧の最大値」→ 誤り(正答)
直流電圧(DC)は時間変化がなく,最大値 = 実効値(= 平均値)。
交流電圧(正弦波 AC)の実効値 Vrms と最大値 Vmax の関係は:
Vmax =
2 ×
Vrms ≈ 1.414 ×
Vrms したがって,「同じ実効値」の直流と交流を比べると:
直流の最大値 = Vrms
つまり「直流の最大値 < 交流の最大値」であり,
「直流電圧の最大値が高いため絶縁レベルを増加させる必要がある」という記述は誤り。
(5) 高調波対策 → 正しい
サイリスタ変換器(順変換・逆変換)は非線形素子であり,交流側に高調波電流を発生させる。
他励式の場合は変換装置から発生する高調波対策(フィルタ設置等)が必要となる。
正答:(4)