電力送電・配電送電特性・電圧降下・電力損失★★☆☆☆
逆フラッシオーバと雷害対策
概要
架空送電線路の雷害対策には,電力線への直撃雷(遮へい失敗)対策と,鉄塔・架空地線への落雷後に鉄塔電位が上昇して電力線へフラッシュオーバする「逆フラッシオーバ」対策の2種類がある。それぞれの発生原因と主な対策(接地抵抗低減・架空地線多条化・不平衡絶縁方式・アークホーン・遮へい角など)を区別して理解することが重要。
📖用語
逆フラッシオーバ(back flashover):架空地線または鉄塔への落雷で鉄塔電位が上昇し,鉄塔から電力線に向かってフラッシュオーバが発生する現象。接地抵抗低減・架空地線多条化で抑制する。
遮へい角:架空地線と鉄塔頭部を結ぶ線と鉄塔垂直線のなす角度。小さいほど電力線への直撃雷防止効果が大きく,負の値(負の遮へい角)が理想的。
アークホーン(保護ギャップ):がいし連の両端に取り付けた角状の電極。フラッシュオーバが発生した際にアーク放電をアークホーン間に転移させ,がいしの損傷を防ぐ。
不平衡絶縁方式:2回線送電線路の両回線の絶縁レベルに差を設け,同一雷撃での2回線同時停電を防止する方式。
架空地線(避雷線):鉄塔の最上部に張られた接地された導体。遮へい角を確保して電力線への直撃雷を防ぐとともに,雷電流を大地に流す。
架空送電線路の雷害対策には,直撃雷(遮へい失敗)対策と逆フラッシオーバ対策の2つがある。両者の原因と対策を正確に区別することが重要。
雷撃の2種類と発生原因
| 項目 | 直撃雷(遮へい失敗) | 逆フラッシオーバ |
|---|---|---|
| 落雷先 | 電力線(送電線)に直接落雷 | 架空地線または鉄塔に落雷 |
| 発生原因 | 遮へい角が大きく電力線が露出 | 鉄塔電位上昇(Vtower = Rground × I)→ 鉄塔から電力線へフラッシュオーバ |
| 主な対策 | 遮へい角を小さくする(負の遮へい角),架空地線の多条化 | 接地抵抗低減,架空地線多条化,不平衡絶縁,アークホーン,避雷装置(LA) |
逆フラッシオーバの対策詳細
①接地抵抗低減(埋設地線・アース棒追加)→ 鉄塔電位上昇を抑制
②架空地線の多条化(結合率向上)→ アークホーン間電圧低減
③不平衡絶縁方式(2回線送電線)→ 2回線同時事故を防止
④アークホーン(保護ギャップ)の設置 → がいし損傷を防止
⑤送電用避雷装置(LA,アレスタ)の設置 → アークホーン間電圧を制限電圧以下に抑制

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