電力送電・配電送電特性・電圧降下・電力損失★★☆☆☆

架空送電線路の誘導障害

概要
架空送電線路が通信線路に近接した際に生じる静電誘導障害・電磁誘導障害の原因と仕組みを扱う。ねん架が十分であれば誘導電圧のベクトルの和がゼロになること,1線地絡時に障害が発生する理由が重要なポイント。
📖用語
静電誘導障害送電線路の電圧(静電界)によって通信線路に誘導電圧が発生する障害。
電磁誘導障害送電線路の電流が,両線路間の相互インダクタンスを介して通信線路に誘導電圧を発生させる障害。
相互インダクタンス2つの回路間の磁気的結合の強さを表す量。一方の回路の電流変化が他方に起電力を誘導する。
誘導リアクタンス1つのコイル(インダクタンス)が交流回路で示す抵抗成分(ωL)。相互インダクタンスとは別の概念。
架空送電線路が通信線路に接近すると,通信線路に誘導電圧が発生して障害を引き起こすことがある。これを誘導障害という。
静電誘導障害
送電線路の電圧(静電界)により通信線路に誘導電圧が発生する障害。
電磁誘導障害
送電線路の電流が,送電線路と通信線路間の相互インダクタンスを介して通信線路に誘導電圧を発生させる障害。
媒介するのは「相互インダクタンス」(2つの回路間の磁気的結合を表す量)であり,「誘導リアクタンス」(交流回路における1つのコイルの交流抵抗成分)とは別の概念である。
ねん架と誘導電圧の打ち消し
三相送電線が十分にねん架されていれば,各相から通信線路に誘導される電圧は「ベクトルの和=0」となるため,平常時の誘導電圧は0Vになる。
(「大きさの和」「大きさの差」ではなく「ベクトルの和」であることがポイント)
誘導障害が発生する条件
三相送電線路に1線地絡事故が生じると,電圧・電流が不平衡になり,各相の誘導電圧のベクトルの和がゼロにならなくなって誘導障害が発生する。
一方,三相短絡(平衡故障)では三相が依然として平衡状態を保つため,各相の誘導電圧のベクトルの和はゼロのままとなり,誘導障害は生じない。
図1
関連問題数:1

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