電力送電・配電送電特性・電圧降下・電力損失★★☆☆☆
架空電線路のたるみ(弛度)の計算
概要
架空電線路の電線は支持点間でたるみ(弛度)D を生じ,径間 S との間に L ≈ S + 8D23S という近似関係がある。温度が上昇すると電線が伸びてたるみが増加し,温度低下では縮んでたるみが減少する。温度変化によるたるみの計算は,基準温度の実長を求めてから温度変化による伸びを加え,新しいたるみを逆算する3ステップ手順で解く。
📖用語
たるみ(弛度):架空電線が支持点間で垂れ下がる最大の垂直距離。温度変化や張力によって変化する。
径間:電線の隣り合う支持点(電柱・鉄塔)間の水平距離。
線膨張係数:温度が1°C上昇したときに材料が単位長さあたり伸びる割合。電線では温度上昇によりたるみが増加する原因となる。
架空電線路の電線がカテナリー曲線を描いて垂れ下がる量をたるみ(弛度)といい,温度変化によって変化する。
📐基本公式:電線のたるみ(弛度)と実長
径間 S [m],たるみ D [m] のとき,電線の実長 L [m] は:
L ≈ S + 8D23S
(D << S のとき成立する近似)
8 と 3 は放物線近似の弧長積分から導かれる固定の数学定数(電験三種では公式として暗記してよい)。
電線形状を放物線と近似し,D << S の条件で弧長を積分すると (S − 2x)2 の積分値が S33 となり,これが分母 3 の出所。係数 162 = 8 が分子の出所。
温度変化によるたるみの変化計算手順
1. 基準温度 t1 でのたるみ D1 から電線実長 L1 を求める:
L1 = S + 8D123S
2. 温度変化 Δt = t2 − t1,線膨張係数 α から電線実長の増加量 ΔL を求める:
ΔL = α × Δt × L1 ≈ α × Δt × S(L1 ≈ S と近似可)
3. 新しい実長 L2 = L1 + ΔL から新しいたるみ D2 を求める:
D2 =
考え方
•温度上昇 → 電線が伸びる → たるみが増加
•温度低下 → 電線が縮む → たるみが減少(張力が増大)

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